Sampling
レンダリングのサンプリングに関する設定を行います。
パストレーシングと分岐パストレーシングの 2 つのインテグレータモードを使用することができます。


パストレーシング
インテグレータモードで Path Tracing を選択すると、パストレーシングインテグレーターによってサンプリングを行います。
パストレーシングインテグレーターは純粋なパストレーサーで、各ヒットあたり一方向に光をバウンスして照明から受ける光を 1 つ選択します。
個々のサンプルの計算はより速くなりますが、通常、ノイズを一掃するにはより多くのサンプルが必要となります。
Samples
レンダリングの際のサンプリングに関わる設定を行います。
Render
レンダリング実行時に、各ピクセルに対してトレースするパスの数を設定します。
より多くサンプリングされることで、ノイズの少ない、より正確な結果となります。
Rendering Sample (Full Global Illumination Rendering)
Preview
3D View の Viewport Shading を Rendered にした時のサンプル数を設定します。
0 を設定すると、無制限にサンプリングし続けます。
クイックなインタラクティブ性を保つには、小さな値に設定しておきます。
分岐パストレーシング
インテグレータモードで Branched Path Tracing を選択すると、分岐パストレーシングインテグレーターによってサンプリングを行います。
分岐パストレーシングインテグレーター (以前、非プログレッシブインテグレータと呼んでいたもの) は、最初のヒットの際に、異なる表面の構成要素のためにパスを分割し、1 つではなくすべてのライトをシェーディングに考慮します。
個々のサンプルの計算は遅くなりますが、特に、直接または 1 バウンスの照明が優位なシーンでノイズを減らすことができます。
分岐パストレーシングインテグレーターのサンプル数は、AA Samples 当たりに、Diffuse Samples 等をいくつサンプリングするかと言う設定となり、AA Samples x Diffuse Samples といった、値の掛け合わせとなります。
AA Samples
アンチエイリアシング (AA) のレンダリングのサンプル
Render
レンダリング実行時に、各ピクセルに対してトレースするパスの数を設定します。
より多くサンプリングされることで、アンチエイリアシングが改善されます。
Preview
3D View の Viewport Shading を Rendered にした時のサンプル数を設定します。
0 を設定すると、無制限にサンプリングし続けます。
クイックなインタラクティブ性を保つには、小さな値に設定しておきます。
Samples
Diffuse
各 AA サンプルに対して取得する拡散バウンスサンプル数。初期値 3。
Glossy
各 AA サンプルに対して取得する光沢バウンスサンプル数。初期値 2。
Transmission
各 AA サンプルに対して取得する透過バウンスサンプル数。初期値 2。
AO
各 AA サンプルに対して取得するアンビエントオクルージョン (AO) サンプル数。初期値 1。
Mesh Light
各 AA サンプルに対して取得するメッシュライトサンプル数。初期値 2。
Subsurface
各 AA サンプルに対して取得する サブサーフェイススキャタリングサンプル数。初期値 2。
Rendering Sample (Sampling Set: Final, Square Samples: off)
注意点
分岐パストレーシングインテグレーターのサンプル数は、AA Samples 当たりに、Diffuse Samples 等をいくつサンプリングするかと言う設定となり、AA Samples x Diffuse Samples といった、値の掛け合わせとなります。
そのため、パストレーシングインテグレータにおける拡散サンプルと同じサンプル数を取得するには、設定値に注意してください。
例: 250 パストレーシングインテグレータ = 10 AA Samples x 25 Diffuse Samples
Sampling パネル下部には、Total Sapmles として、各サンプル数の合計値が表示されます。
と、書かれているものの、掛け合わせた数が同じなら同じ結果になるかというと、そうでもない様子。
Path Tracing | Branched Path Tracing | |||
500 Samples | 1 AA x 500 Samples | 10 AA x 50 Samples | 100 AA x 5 Samples | 500 AA x 1 Samples |
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いずれも、トータルで 500 Samples となるが、AA のサンプリング数が少ないとクリアな結果にならない様子。
共通設定
Sampling Presets
サンプリングのプリセットを選択します。
プリセット名の右側にある [+] で現在の設定値に名前を付けてプリセット登録し、[-] で選択中のプリセットを削除することができます。
- Final: Render: 8, Preview: 4
- Preview: Render: 4, Preview: 2
Square Samples
すべてのサンプル値を二乗にします。
AA Samples Render が 8 で、Diffuse が 3 の場合、82 x 32 = 576 となります。
サンプリングセットの Final を選択すると、8 AA, 3 Diffuse, 2 Glossy, 2 Transmission, 1 AO, 2 Mesh Light, 2 Subsurface なので、Total Samples: 64 AA, 576 Diffuse, 256 Glossy, 256 Transmission, 64 AO, 256 Mesh Light, 256 Subsurface となります。
Square Samples を有効にしている場合、インテグレータモードで Path Tracing を選択していても、Sampling パネル下部に、Total Sapmles としてサンプル数の合計値が表示されます。
Settings
Seed
乱数生成シード (0 - 2147483647) を設定します。
この値を変えることで、ノイズパターンを変えることができます。
Rendering Sample (Full Global Illumination Rendering, Samples: 100)
Clamp
ノイズを軽減するためのクランプ値 (0.0 - 100000000.0) を設定します。
0.0 で無効となり、値が増すにつれて明るいサンプルを最大輝度としてクランプします。
これによりノイズの軽減と収束のスピードアップにつながりますが、精度は低下します。
レンダリング結果にホタル (光のノイズ) がある場合、このオプションによってノイズを軽減することができます。
しかし、その結果、全くノイズがない他の場所の明るい色も同様に失われることがあるので、注意してください。
ノイズの低減と、意図した色を保つバランスが必要となります。
Rendering Sample (Full Global Illumination Rendering, Samples: 100)
- 最終更新:2013-12-13 11:42:12