Light Paths 2.7
レンダリングの際の各 Light Paths (ライトパス) のバウンスなどに関する設定を行います。Integrator (インテグレータ) は、照明計算に利用するレンダリングアルゴリズムで、ここでそのインテグレータに関する設定を行います。Cycles は、現在、直接光のサンプリングを含むパス・トレーシング・インテグレータをサポートしています。このインテグレータは、様々な照明セットに適していますが、コースティクス (集光模様) や複雑な照明には適していません。
シーン内のカメラからトレースされたレイ (光線) は、ランプや発光オブジェクト、World 背景といった光源を見つけるまで周囲をバウンス (反射) します。
ランプや面発光を見つけるために、間接光サンプリング (レイはサーフェス BSDF に従う) や直接光のサンプリング (選択した光源に向かってレイを追跡する) の両方が使用されています。

Integrator Presets
設定値がプリセットとして登録されています。
プリセット名の右側にある [+] で現在の設定値に名前を付けてプリセット登録し、[-] で選択中のプリセットを削除することができます。
各プリセットの設定値
Rendering Sample (Samples: 500)
Presets: | Default | Direct Light |
Full Global Illumination |
Limited Global Illumination |
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Rendering Time: | 01:59.71 | 01:07.53 | 02:02.65 | 01:22.69 |
Transparency
透明バウンスに関わる設定を行います。透明なマテリアル内部の光線バウンス量の範囲を設定します。
特に問題が無ければ、Max と Min を同じ値に設定することをお勧めします。
Max
透明バウンスの最大数 (0 - 1024) を設定します。
Rendering Sample (Samples: 100, All others: 3, Sky Texture)
Min
透明バウンスの最小値 (0 - 1024) を設定します。
この値を超えると、ロシアンルーレット方式によって停止されます。
Rendering Sample (Samples: 100, All others: 3, Sky Texture)
Shadows
チェックされていると、透過シェードを行います。直接光のサンプリングにおいて、透明度をもったサーフェスの影にも、そのサーフェスの透明度を影響させます。
Rendering Sample (Direct Light Rendering, Samples: 100)
Bounces
ライトパスバウンス (反射) の総量に関する設定を行います。これらの値は、シーンに影をもたらすオブジェクト間の光線バウンス量の範囲を設定します。バウンスが多ければ、暗がりも少なくなります。
特に問題が無ければ、Max と Min を同じ値に設定することをお勧めします。
Max
ライトバウンス全体の最大数 (0 - 1024) を指定します。
最高のレンダリング品質にするなら、これは最大値に設定する必要があります。しかし実際には、レンダリングを速めるためにできるだけ低い値を設定するが良いでしょう。1 を設定すると、直接光のみのバウンス結果となります。(と書かれていますが、検証結果から 0 ではないかと思われます)
Rendering Sample (Samples: 100, All others: 3, Sky Texture)
0 でもバウンスしているので、0 が直接光のバウンスなのではないかと思われます。
Min
各パスのライトバウンスの最小数 (0 - 1024) を指定します。
この値を超えると、イメージへの寄与がすくないパスはロシアンルーレット方式によって停止されます。高い値の設定はノイズを少なくしますが、レンダリング時間がかなり増える可能性があります。
Rendering Sample (Samples: 100, All others: 3, Sky Texture)
Light Paths
各ライトパスのバウンスに関わる設定を行います。個別に設定することにより、バウンスの回数を制限することができます。バウンスが多いほど、マテリアルの品質が向上します。有効な最大値は、ライトバウンス総量の最大数 (Bounces:Max) になるようです。
Diffuse
オブジェクトに初期値として使用される不透明なマテリアルによる拡散バウンスの最大数 (0 - 1024) を設定します。
Rendering Sample (Samples: 100, Bounces,Transparency: 3/3, Glossy,Transmission: 0, Light Path: Is Diffuse Ray, Sky Texture)
※0 でもバウンスしているので、0 が直接光のバウンスなのではないかと思われます。
Glossy
金属やプラスチックのような磨かれた表面による光沢バウンスの最大数 (0 - 1024) を設定します。
Rendering Sample (Samples: 100, Bounces,Transparency: 3/3, Diffuse: 3, Transmission: 0, Light Path: Is Glossy Ray, Sky Texture)
※0 でもバウンスしているので、Diffuse と同様に 0 で直接光のバウンスなのではないかと思われます。
Transmission
透過度をもつ素材による透過バウンスの最大数 (0 - 1024) を設定します。
Rendering Sample (Samples: 100, Bounces,Transparency: 3/3, Diffuse: 3, Glossy: 0, Light Path: Is Transmission Ray, Sky Texture)
※0 ではバウンスされないようです。
Volume
ボリュームスキャッタリングイベントの最大数 (0 - 1024) を設定します。
Rendering Sample (Samples: 100, Bounces / Transparency / Light Paths: all3, Sky Texture)
Caustics
コースティクス (透過光や反射光が集まることでできる集光模様) に関わる設定を行います。
Reflective Caustics (2.72)
反射コースティクスを表現するかどうかを設定します。このオプションを有効にすることで、反射コースティクスを表現します。
Refractive Caustics (2.72)
屈折コースティクスを表現するかどうかを設定します。このオプションを有効にすることで、屈折コースティクスを表現します。
Reflective: On, Refractive: On | Reflective: On, Refractive: Off | Reflective: Off, Refractive: On | Reflective: Off, Refractive: Off |
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Filter Glossy
光沢反射に対してのボカシ量 (0.0 - 10.0) を設定します。
0.0 で無効となり、0.0 より大きく設定するとぼやけたバウンス (blurry bounces) の後に光沢反射をぼかします。これによりノイズの軽減につながりますが、精度は低下します。
微調整を開始するには 1.0 が良いです。
ライトパスによっては、ピクセルの光量に寄与しながらも、見えてしまう可能性を持つものがあります。その結果、あるピクセルで表示されるがその他では表示されず、ホタル (光のノイズ) となります。例えば、われわれはざらついた光沢材質として見ていても、細かく見れば鮮明な光沢部分があります。そこには、小さなスペキュラハイライトが起こります。これらは、実際にはコースティクスとなります。
パストレーシングにおいて、このような小さなスペキュラハイライトを見つけるのは難しいことです。しかし、マテリアルの荒さを増すことで、ハイライトは大きくソフトになり、見つけやすくなります。いずれにせよ、われわれは実際には、詳細な部分までは見えておらず、ぼかして材料をみています。そのため、この設定は多くの場合に有効になります。しかし、これにより、ライティングのディティールの損失につながる場合もありますので、注意してください。
Rendering Sample (Samples: 100, All: 3)
※1.0 より大きな値は、違いがわからない程度の変化しかありませんでした。
- 最終更新:2016-05-06 09:18:29