スタートガイド 2.8
準備
Cycles を利用するには以下の操作を行います。
- 「Properties」エディタの「Render」タブにある「Render Engine」を「Eevee」から「Cycles」に変更
これでレンダリングに Cycles を利用するようになります。
- 「Timeline」エディタを「Shader Editor」に変更し、エディタ領域を広げます。
各エディタのフレーム部にカーソルを合わせると「↕」 カーソルになるので、その状態で上の方にLMB(マウスの左ボタン)ドラッグしてエディタ領域を広げます。
「Shader Editor」内でWMB(マウスのホイール)を上下に回転して拡大縮小し、MMB(マウスの中央ボタン)ドラッグでパンする等し、ノードが見えるように調整します。
- リアルタイムにレンダリングするために「3D Viewport」の表示モードを「Rendered」に変更
必要に応じて「3D Viewport」の表示モードを変更します。
起動時に毎回変更しなくても済むように起動時の設定を記憶することが可能です。
「File - Defaults - Seve Startup File」User Settings」を実行し、表示される「Save Startup File」を選択
簡単なレンダリング
さっそく Cycles で簡単なレンダリングをしてみましょう。
全体観がつかめると思います。
1. 床の作成
上の状態でもレンダリングされているのですが、影が落ちる床がないためにリアル感に欠けます。
そこで、床面を作成します。
3D ビューの「Add」メニューもしくは、3D ビュー上にカーソルを持っていきShiftA(キーボードの[Shift]キーを押しながら、[A]キー)で Add メニューを出し、「- Mesh - Plane」を実行して、

平面(Plane)を作成。

そのまま続けて、S(拡大縮小)で拡大し、

適当なサイズでLMBで確定。

G(移動)-Z(Z 軸固定)で、最初からあるボックス(Cube)のちょっと下にプレーンを移動します。

これで影の落ちる床ができました。

2. マテリアルの変更
次にボックスの色を変更してみましょう。
まずボックスをLMBで選択します。

どのオブジェクトが選択されているかは、以下の情報から知ることができます。

- オブジェクトの外形線がオレンジに表示される
- 3Dビュー左上のCollection情報の右隣に、選択されているオブジェクト名が表示される
- Outlinerでオブジェクト名がオレンジに表示される
- ステータスバー右側のCollection情報の右隣に、選択されているオブジェクト名が表示される
左下の「Shader Editor」内にある「Principled BSDF」ノードの「Base Color」の右側にある白いフィールドをクリックするとカラーパレットが表示されます。

ここですきな色に変更してみてください。
すると、同時に 3Dビュー内のボックスの色も変わります。

※カラーパレットは、カーソルをカラーパレットからある程度離すと消えます。
「Principled BSDF」ノードにはいろいろな設定があり、発光体以外の大抵のマテリアルは表現することができます。
「Principled BSDF」ノードだけでも幅広いマテリアルを表現できますが、他にもノードが沢山あり、様々なノードを組み合わせる事によって、色々なマテリアルを表現することができます。
※ノードに関しては「ノードの概要」等を参照してください。
上では、「Shader Editor」でノードの設定を変更しましたが、「Shader Editor」はノード同士の繋がりをビジュアル的に分かりやすく編集できるようにしたエディタで、その内容自体は右側にある「Properties」エディタの「Material」タブにも表示させることができます。

ノードの接続は「Shader Editor」が分かりやすいと思いますが、各項目の設定変更は、「Shader Editor」でも「Properties」エディタの「Material」タブでもどちらでもやりやすい方でいいと思います。
※「Material」タブには、「Shader Editor」には表示されない設定も表示されます。
3. マテリアルの変更
では、マテリアルをほかのタイプに変更してみましょう。
まずは「Principled BSDF」ノードのままできる他のタイプに変更してみましょう。
「Principled BSDF」ノード「Metallic」をドラッグまたはクリックして「1」と入力して「Metallic」を「1.000」にすると、金属になります。

「Roughness」を小さくすると、粗さがなくなり光沢感が強まります。

「Principled BSDF」ノード「Metallic」を「0.000」にもどし、「Transmission」を「1.000」にすると、クリアパーツになります。

屈折率(IOR)を狙いの材質に変更することで、より正しく表現させることができます。
「Principled BSDF」ノードは、他にも表現することができますが、ここではここまでとし、次に、ボックスを発光体にしてみましょう。
「Properties」エディタの「Material」タブの「Surfacel」パレットにある「Surface」の「Principled BSDF」をクリックし、「Emission」を選択します。


このノードを使用することで、オブジェクトを発光体とすることができます。
「Properties」エディタもしくは「Shader Editor」で「Emission」ノードの「Color」や「Strength」を変更することで、発光色や強さを変更することができます。

2.8からリアルタイムにレンダリングする「Renderd」表示中でも、グリッドや軸、エンプティやカメラといったガイド的な要素をオーバーレイ表示することができるようになっており、初期値でそれらが表示されるようになっています。
作業するにあたってはこの表示は助かるのですが、レンダリングされた状態を確認する際には邪魔になったりするので、オーバーレイを非表示にしたい場合はAltShiftZします。

再度表示する場合もAltShiftZします。
4. まとめ
以上で Cycles による簡単なレンダリングの説明を終わります。
Cycles ではノードを自由に組み合わせることができるため、無限の表現力があります。
ここではマテリアルのノードを操作しましたが、World (ワールド:背景) や、Lamp (ランプ:光源) でも同様にノードを利用します。
そのため、Cycles を使いこなすには、ノードを理解する必要があります。
- 最終更新:2019-09-24 12:44:08