World Output

World (ワールド) 環境は、単一色や自然なスカイモデル、任意のテクスチャから発光させることができます。
ワールドサーフェスは、シーンから非常に遠く離れていて、シーン内のオブジェクトと環境との間に相互作用がなく、ただ光が来ているだけとしてレンダリグされます。

Add-Output-WorldOutput_268.png


Input

Surface
        サーフェスシェーダを入力し、シーン環境からの発光を定義します。
        接続できるシェーダは、色の入力と光の強度係数を持つ Background ノードだけです。
Volume
        ボリュームシェーダを入力します。
        別途開発中です。


Setting

ノードブロックでの設定はありませんが、Properties ウィンドウの World パレットに設定があります。

パレット


Ambient Occulusion

アンビエントオクルージョン (AO) は、「サーフェス上の点が近くのサーフェスによってどの程度遮蔽されているか」に基づく照明方法です。
これは物理的に正確ではなくトリックですが、サーフェスの形状を強調したり、間接的な照明に似た効果を簡単に得たりするために有用です。
AO によるライティングは、拡散反射 BSDF のみに適用され、光沢反射や透過 BSDF は影響を受けません。
サーフェスの透明性は考慮され、半透明のサーフェスは半分だけ遮蔽されます。

Factor

AO の強度 (0.0 - 2147483648.00) を設定します。
1.0 で、真っ白な Background シェーダのようになります。

Distance

シェーディングポイントからレイを追跡するまでの距離を設定します。
距離が短いほど近くの特徴が強調されし、距離が長くなるほどより遠くのオブジェクトも考慮されます。

Mist Pass

Render Layers プロパティの Passes パネルの Mist が有効になっていると、Mist Pass パネルが表示されます。

Start

カメラからのミストが開始される距離 (0.0 - 500000.0) を設定します。

Depth

ミストがフェードインする距離 (0.0 - 500000.0) を設定します。

Falloff

ミストの減衰方法を設定します。
  • Quadratic
        二次式の減衰
  • Linear
        リニア (直線的) の減衰
  • Inverse Quadratic
        逆二次式の減衰


Ray Visibility

Ray Visibility (レイの可視性) は、他のオブジェクトと同様に、他のシェーダが World 環境を見ることができるかを制御することができます。

  • Camera
        Camera Ray が World 環境を直接見ることができるかを制御します。
  • Diffuse
        Diffuse Ray が World 環境を直接見ることができるかを制御します。
  • Glossy
        Glossy Ray が World 環境を直接見ることができるかを制御します。
  • Transmission
        Transmission Ray が World 環境を直接見ることができるかを制御します。


Settings

マルチインポータンスサンプリング (Multiple Importance Sampling) に関する設定を行います。

Multiple Importance Sampling

マルチインポータンスサンプリングを有効にします。
初期値では、World からのライティングは、間接光サンプリングのみ計算されます。
しかし、複雑な環境マップを利用する場合、ノイズが非常に多くなってしまい、BSDF のサンプリングの際に、環境マップイメージの中からハイライトを見つけるのが難しくなります。
このような場合に、このオプションを有効にすることにより、World 背景は自動的に多くのサンプルを与えられた明るい部分をもつランプのようにサンプリングされます。
このオプションは、単色の背景ではない時に有効です。
  • Map Resolution
        Map Resolution (マップ解像度) は、インポータンスマップのサイズ (解像度 x 解像度) を設定します。
        インポータンスマップは、レンダリング開始前に World シェーダからグレースケールイメージのベイクで生成されます。
        これは、背景の中から、より多くのサンプルを必要とする明るい部分を決定するために使用されます。
        高い解像度はより正確なサンプリングとなりますが、その分セットアップ時間とメモリ消費が多くなります。
  • Samples
        レンダリングの各 AA サンプルのライトサンプル数を設定します。
        Render プロパティの Sampling のインテグレータモードで、Branched Path Tracing を選択すると表示されます。

World Output に Environment Texture ノードを接続し、Color に Hex:E7E7E7 を指定したサンプル
  off Map Resolution: 256 Map Resolution: 512 Map Resolution: 1024
World_Color_PT_24S_MIS.png World_Color_PT_24S_MISoff.png World_Color_PT_24S_MIS256.png World_Color_PT_24S_MIS512.png World_Color_PT_24S_MIS1024.png
Multiple Importance Sampling を有効にしていなくてもノイズはなく、Map Resolution を上げても変化が見られません。

World Output に Environment Texture ノードを接続し、ColorSky Texture を接続したサンプル
  off Map Resolution: 256 Map Resolution: 512 Map Resolution: 1024
World_Sky_PT_24S_MIS.png World_Sky_PT_24S_MISoff.png World_Sky_PT_24S_MIS256.png World_Sky_PT_24S_MIS512.png World_Sky_PT_24S_MIS1024.png
こちらも、Multiple Importance Sampling を有効にしていなくてもノイズはなく、Map Resolution を上げても変化が見られません。

World Output に Environment Texture ノードを接続し、ColorEnvironment Texture を接続し、HDIR ファイルを利用したサンプル
  off Map Resolution: 256 Map Resolution: 512 Map Resolution: 1024
World_IBL_PT_24S_MIS.jpg World_IBL_PT_24S_MISoff.jpg World_IBL_PT_24S_MIS256.png World_IBL_PT_24S_MIS512.png World_IBL_PT_24S_MIS1024.png
Multiple Importance Sampling を有効にしていないとノイズが多く、Map Resolution を上げるとノイズが軽減していくのが見られます。


トリック

直接表示される背景とオブジェクトを間接的に照らす背景とが違うと便利な場合があります。
これを簡単に行うには...
  1. Surfaceを Background に設定
  2. Background の Color に Mix を接続
  3. Mix の Factor に Light Path の Is Camera Ray を接続
  4. Mix の Color1 に間接光となる色もしくはテクスチャを設定
  5. Mix の Color2 に背景として直接見える色もしくはテクスチャを設定

Background シェーダは、現在重要なサンプリングではなく、すごく明るい背景の領域ではあまりサンプルを使用しません。
そのため、例えば明るいスポット箇所がいくつかあるテクスチャを利用すると、収束が遅くなる可能性があります。
そのようなテクスチャはぼかしてノイズを低減することで、より早く収束する可能性があります。

  • 最終更新:2013-12-12 19:05:17

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